◆ <研修医ポートフォリオ>に知とキャリアを一元化!

 医学を志し研修医期間にある若者の「研修医ポートフォリオ」。医師への一歩にポートフォリオは大変有効です。研修医、忙しいまま気がつけば一日、一ヶ月が過ぎ日々に翻弄されたままになりがちです。しかし研修医であれば、治療や診療に関わりながらも自らが「成長」していくことも重要なはず。忙しければ忙しいほど研修期間の成長は大事にしたいもの。研鑽や自己成長へのおもいと、その時間がとれないジレンマを感じておいでなことが伝わってきます。忙しくてもそこでの成長が未来に活かせるなら励みになるでしょう。ここに日々の成果や軌跡を一元化しておくポートフォリオの存在が生きてくるのです。
研修医ポートフォリオに入れるもの
□ 研修目標
□ 研修の基本フレームワークと基本フェーズ展開
□ 研修期間全体タイムスケジュール
□ 今日の状況シートと知的アウトカム
□ 今日の自己評価シート(アクションシート)
□ 患者さんがよりよくなるための問題点リストアップ
□ 患者さんとのコミュニケーション記録
□ 患者さんからの手紙・コメント
□ 患者さんや身近な方からのアンケート類
□ 自分を成長させた所見、その表現や工夫
□ 味わい深いカルテ例:分かりやすい記入やイメージ図表現
□ 診断法の選択方法とその結果
□ 参考になる治療プランと治療法の選択方法とその結果
□ 業務改善の工夫、アイディアや提案
□ 診察器具を上手く使うスキル/手順
□ どんな患者さんを診てきたか歴
□ 患者さんをどうやって診てきたかがわかるもの
□ 自分と同僚や指導医との対話記録やアドバイス
□ 身につけた手法や技術を書き出したもの
□ 自分の研究記録
□ 発表論文・寄稿
□ 手技などの実践記録
□ 研修中の有効な経験
□ 有効資料:新聞記事、冊子、地域の患者マップ
□ 研修のシステムや方法への有効な提案
□ こうすればもっと成長できる、というアイディアメモ
□ 自己研鑽歴がわかるもの
□ 自分なりの効果的な勉強ルール
□ 資格一覧/公的評価/スキルや知識や経験を証明するもの…etc

 ◆ 研修医ポートフォリオはこんな役に立つ!

 ポートフォリオは自己評価、自己成長へのモチベーションアップとしても価値を持ちますが、指導医師や先輩などが適切な指導や支援をするためにもとても有効です。またメンターとの対話にも役立つでしょう。もちろん医師としての技能や知識の現状や伸びなどを評価するためにもポートフォリオが役立ちます。さらにコミュニケーション力や問題解決能力、対応力などモノサシで計れない能力、感性を伝えたり、評価したりする時にもポートフォリオは役立ちます。
 
研修医ポートフォリオの「目的」
○ モチベーション:自己評価でより高い成長を目指す前向きな気持ちが湧く
○ 自分の個性や能力の方向性を見出す
○ モノサシで計れない能力や感性を見出すとき
○ 進路決定やキャリアアッププランを描く際
○ 指導医やメンターからの評価
○ 希望する進路への面接時の際、自己PR …etc

 ◆ 相互評価・自己評価へのアイディア

 研修期間を未来へ活かすためにポートフォリオを活かす。すべての場面から人は学びことができるわけですから、研修医同士がポートフォリオを活かしながら、今日の患者の症状、その分析、治療の方向性などを研修医同士が発表、共有しあい、互いに評価しあうなど。互いに互いのテーマにかなり踏み込んで具体的に評価しあうことが有効でしょう。自分と違う視点で評価しあう、ということの価値は大きいですね。それに互いの行動やポートフォリオを見ながら成長点やよかった所など紙に書いて渡し合うこともいいでしょう。意外に自分では自分の成長や身についた力などは気がつかないものですから。相互評価がうまくいくと自己評価のスキルアップになります。人には、その分析スキルが使えても意外に、自分にそのテクニックを使かってないものですから。

 ◆ 『元ポートフォリオ』を再構築し『凝縮ポートフォリオ』をつくる!

 仕事歴、研修歴などすべてが入ったポートフォリオを『元ポートフォリオ』といいます。『元ポートフォリオ』に"溜めっぱなし"では意味がありません。『元ポートフォリオ』から重要なことだけギュと抽出し再構築して『凝縮ポートフォリオ』にするのです。再構築はマイルストーンごとにしてもいいし、またフェーズごとあるいは研修期間の最終段階にフィードバックして得たことを再構築し、「勝負ポートフォリオ」とする。それを正式な審査委員会により研修認定をするという方式も提案できます。